犬が吠えども、キャラバンは進む。

Biar anjing menggonggong, kafilah tetap berlalu./インドネシアでひとを研究しているある院生の備忘録。

死に至る病、とまではいかないけれども

こんばんわ。初めての記事です。突然ですが、病を患いました。

僕は今、インドネシアにいます。

このブログは当初、僕がインドネシアで生活するためにビザの取得が難航したり、ビザ取得後のKITAS(KARTU IZIN TINGGAL TERBATAS/ Limited Stay Permit Card)取得の書類収集に戸惑ったり、お金のない院生から容赦なくむしり取られる許可証や証紙を発行するための高額な手数料を愚痴ったりするという目的のために開設しました。

しかし、昨年度から申請手続きを初めているにもかかわらず、未だに全ての手続きが完了していません。なんとなく、ブログを書くにも書けないというような状況です。

それでもなお、僕は筆をとりました・・・!

なぜかというと、

nagairei.hateblo.jp

ちょうど僕が先日から読んでいる『死に至る病』を知り合いがブログに載せたからです。さらに、幸運なことに、私は今、「病に、罹っている」。

そうか、なんかこういう雰囲気もかっこいいじゃん。事務手続き手順の体験記だけじゃつまらないよ。せっかくだし、病を患ってることでも書こうかな。という軽い気持ちで、

そういうことで、病(病院の診断では「炎症」)について書きたいと思う。

インドネシアとか全然関係ない。Sakit Tenggorokan. 哲学も関係ない。

今の状況を簡潔に記するならば、めっちゃのど痛い、禁煙禁酒どころではない。言葉を発するのさえ憚られる。

ことの発端(病の発端)を探るべく、この病を詳細に描くのであれば、実は今月は日本―インドネシアインドネシア国内をびゅんびゅん飛び回り、事務手続きが難航し、疲労とストレスがたまっていたことがそもそもの元凶だったように思われる。そして、ある夜、喉の不快感は39度の高熱へと進化した。死ぬかと思った。

僕はインドネシアでよくわからない高熱*1を発することが度々あるので、今回は体温計を所持していた。夜になると38度を越える高熱が二日続いたので、さすがに病院に行った。Go‐JEKというバイクタクシー*2アプリを使用した。バイクに乗って病院に行ったことは、大変インドネシアらしいことのように思われるので追記しておく。

そして、医者にもらった解熱剤は大変よく効き、咳止め、鼻水及び痰を抑える薬、抗炎症剤ももらえた。熱も下がり、最も炎症を起こしていた鼻腔の痛みはなくなった。しかし、薬も無事飲み終わる頃、喉が痛みだしたのである。

以下の写真は、風邪の時に良いと言われてお隣さんからもらった「飲むハチミツ」と偶然僕が持っていた同じ製品の飴。

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 このハチミツ、一日に3袋までしかぺろぺろしてはいけないのだが、ぺろぺろしている間は、ハーブとショウガ、ハチミツがものすごく喉に染みて癒しているような感じがする。治る気配はない。病院からもらってきた抗炎症剤を含むお薬たちも先ほど飲み切ってしまった。治る気配はない。

 明日は一日、外へ出る予定はない。先ほど気が付いたのだが、ひととの会話すら、声帯を震わせて音を発するという行為すら、現在の僕の喉にはつらい所業のようである。

これはもう明日一日と言わず、しばらくだんまりでいるしかない。この病は、僕の時間と体力、気力のみならず、言葉すら奪っていったのである。この喪失によって、普通の人といわれる健常者、なんか普通に元気な人ってほんとにすごい幸せなんだなと大げさな感傷を抱く僕である。歩いて、考えて、話をするということが、先週からの僕にはとてつもなく困難なことである。この困難は、いつまで続くのか。

 何かについて絶望することはまだ決して本来的な絶望ではない[キルケゴール 1939:p.36]。*3

 幸いなことに、キルケゴールも、お医者も「この病は死に至る病、ではない」との見解を示している。おそらく、彼らは正しいだろう。そして、来月の僕はケロッと生きているのだろう。だが、僕は、今、本当に言葉を発せなくてつらい。授業中のおしゃべりが原因で、小学校の成績表(特に態度の評価点)がすこぶる悪かった僕である。話をしていないと息ができないと本気で思っているし、実際に息苦しい。言葉が腹の底から這いあがってくるのに、口を開くことは許されないのだ。そのために、ブログの記事がまとまりのない言葉の詰め合わせになっているのだ。

とにかく、このつらさを書き残しておくことで、来月のケロッと生きている僕が、すこしでも有り難さを思い出してくれることを願う。そして、来月の僕がケロッと生きていることを願う。

 

*1:インドネシアで38度以上の高熱を発すると真っ先に「デング熱」を疑われ血液検査をされます。筆者はすでに3回、インドネシアで高熱を発していますが、初回は自身が驚いて夜中に38度の発熱状態で緊急外来に訪れたため血液検査をされました。

*2:ようはバイクの二人乗り、後ろに乗せて目的地まで運んでくれる。

*3:死に至る病キルケゴール著/斎藤信治訳 岩波文庫