犬が吠えども、キャラバンは進む。

Biar anjing menggonggong, kafilah tetap berlalu./インドネシアでひとを研究しているある院生の備忘録。

プアサ(断食)をやってみた

こんばんは。Selamat berbuka puasa !(断食明けだよ、おめでとう!)

 実は昨日断食をしてみたので、その感想を感覚が新鮮なうちに欠き残しておこうと思います。思いのほか長くなってしまったので、目次を付けました。ちなみにラマダンネタはまだ尽きていないので、今後もラマダン中にいくつか記録できたらと思います。 

ラマダンとは

 「ラマダン」と聞いて思い当たる方も、あるいは今年の今日という日付から、既にお気づきの方も多いとは思いますが、インドネシアでこの時期に断食をするひとは珍しくありません。この断食は宗教行事として行われるものであり、地域によって差はあれどムスリムの方の多くは断食をしていると思われます。もちろん中東のムスリムの方、日本のムスリムの方を含め、地球上のそれぞれのモスクが一斉に行う行事となっています。クリスマスや正月が、大きくずれることがないのと同じです。ただし、西暦ではなく、イスラムカレンダー・ムスリムカレンダーとも呼ばれるヒジュラ歴によって定められているので、毎年1カ月くらいずつ早まって行きます。

 今年は、2017年5月27日から始まり6月24日に終わります。去年は確か7月でしたので、日本にいたムスリムの友達は本当に大変だったと思います・・・・。なにせ、日中水を飲むことが許されないので、東京の灼熱の中、通常営業する社会に合わせつつ、断食というのはかなりハードかと思います。

 ラマダンは、イスラム教を信仰るムスリムの方たちにとっては一年で一番大きなイベントと言っても過言ではありません。ラマダンが終わった後多くの人が休暇をとり、帰省したり、友人の家を訪ねて、みんなでご馳走を食べたりと、お祭り気分が蔓延します。個人的な感覚ですとラマダン終わりの休暇、レバレン休暇と呼ばれる時期は、「お盆」とか「正月」に近い気がします。

 しかし、あるインドネシア人の友人は、「レバランはムスリムのクリスマスなんだよー」と言っていました。確かにクリスチャンでもクリスマス前の一ヶ月は、断食をします。なんか固いケーキみたいなのをひたすら食べる期間があったと思います。それを踏まえると、断食とお祭り・帰省がセットになったこの時期を「ムスリムのクリスマス」と称するのは的を得ていると思います。

 そんなわけで、ラマダン月の一か月間、ムスリムの方たちは日の出から日没まで水を含む一切の物を口にしません。しかし、一か月間飲まず食わずというわけではなく、各地域の日の出と日没の時間に合わせて断食をします。東京代々木にある東京ジャーミーというトルコ系のモスクは、東京のラマダンカレンダーを公開していますので興味がある方はぜひご覧ください。

 断食の時間は日照時間に合わせて行うので、この時期の東京は私が今いるインドネシアジャワ島なんかよりもずっと長いです。ここでは、4時24分から17時30分までの13時間ちょっとですが、東京は2時くらいから19時くらいまでです・・・。長い・・・・。

tokyocamii.org

またこちらでは、なぜムスリムラマダンを必要とするのかということについての説明がなされています。私はムスリムでもなく、専門家でもありませんので、大手を振って説明をする勇気がありません・・・。興味がある方はこちらを併せてご覧ください。

tokyocamii.org

 

前置きがかなり長くなってしまいましたが、それでは本題に入ります。

 

「プアサ(断食)をやってみた」

まずは、なぜ私が断食をやってみたのかという理由なんですが、本当になんとなくです。ムスリムの友人や彼氏がいる人で、断食に付き合う方もいるようですが、私は知人に付き合って断食をしたことはありません。基本的にぼっちなので、自由に生きています。しかし、前々から多少興味があり、やってみたいなぁとは思っていました。問題は、朝早起きするのが苦手ということ。

 

断食をするには、日の出前に起きてサフールと呼ばれる「朝ごはん」を食べなければなりません。その日はたまたま執筆中の文章が終わらず、夜な夜な起きて推敲をしてしまい、気が付けばサフールの時間。そこで私は気が付きます。

昼夜逆転させたら断食とかそんな苦ではないかもしれない、というか、なんかお腹減ったかもしれない」

そして、断食に挑戦する良い機会だと思い、やってみました。以下は、時系列順に私が断食中に行ったことです。先に述べておくならば、昼夜逆転作戦は見事に失敗しました。規則正しい生活を送り過ぎていたせいなのか、普通の時間(AM.8:30)に起きてしまいました。

 個人的断食、一日の流れ

 AM3:30

サフール:目玉焼きとご飯

貫徹で推敲していたので、ご飯を食べたら眠くなる

AM.4:30

就寝:体の水分を少しでも温存すべく、マスクを着用。

AM.8:30

起床:昼夜逆転作戦失敗

寝起きにとても喉が渇いているが、断食なので飲めない

AM.9:30

だらだらしていても仕方ないので、シャワーを浴びる。

AM.10:30

洗濯ものを手洗いする。部屋の掃除をする。

AM.12:00

洗濯ものを手洗いし、ひと汗かいてしまったので疲れて眠ろうかと思う。

喉が渇いている。

しかし、洗濯物を手洗いしたらボロボロになったネイルが気になり、ネイルをし始める。

AM.13:00

ネイルが終わったので、眠る。喉が渇いて、熟睡できない。

(寝ると寝汗をかくので、脱水を恐れていたという精神的なプレッシャーもあったと思う)

AM.14:30

来週分のお買い物をしていなかったので、近所の大型スーパーに買い物に出かける。

AM.16:00

帰宅:買い物をし過ぎて唖然とする。洗濯物を取り込んだり、買った物を冷蔵庫に入れたり、冷蔵庫を掃除したりする。

AM:17:00

喉が渇いて堪らないので、気を紛らわすためにスマフォでひたすらゲーム。

AM.17:30 

断食明け:一番初めに口にしたのは、水。そして、煙草。

 

感想1:水分ってホント大事

水が飲めないってホントつらい。 

 断食の感想は、これに尽きます。その日の外気温35度、私の部屋にはクーラーがあり、適度に付けていましたが、これはクーラーのない環境で、尚且つ通常通りお仕事なんて、正直危険すぎます。実はプアサ中、道端でぐったりしている人を見かけたこともあります。そりゃそうですわ・・・・、熱中症で人は死にますからね。私自身、その晩は頭痛が治まらなくて鎮痛剤を使いました。

 また、のどの渇きが気になって作業に集中することが難しいです。断食中も洗濯したり、買い物いったりと日常を送っていたかのように思えますが、これらは全て喉の渇きがつらいので気を紛らわすためにやったと言っても過言ではありません。本を読んだり、執筆をしたりという集中力が必要な作業は何一つできませんでした。ついでに言うと、ゲームのスコアも振るいませんでした。慣れれば違うのかもしれませんけど、断食中のひとは昼間から寝ていることも多いのでたぶん皆さん相当お疲れなのではと思います。通常ムスリムが多数派を占め、ラマダンが社会的行事として根付いている地域では、多くの職場が15時くらいに早めに終業します。しかし、それでも疲れると思います。

 以上のようにたった一日で断食のつらさと体調不良を体験することができました。ですが、この断食、辛いだけではないんです、もし一緒に断食明け(Buka Puasa)をしてくれる友達なんかがいれば、その日のご飯はとても楽しいものとなると思います。街中も断食明けの時間が近づくと賑やかになってきて、断食明けに口にするためのフルーツポンチ(Es Buat)やら軽食の簡易販売ブースが、道端に並びます。

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このデザートを食べるだけなら、これからもぜひ参加しようと思います。

感想2:空腹時に買い物に行ってはいけない

加えて断食中に買い物に行ったのですが、明らかに買いすぎました。

クリスマス商戦という言葉あるように、社会全体が浮かれる時期は消費も上向くと言われています。ムスリム社会では、ラマダンこそがそういった消費が増える時期です。しかし、実際に断食中に買い物に行ってみて思ったのですが、お祭りとかそういった側面も確実に影響していますけど、「空腹」という状況も消費を助長しているのではないでしょうか・・・。洗剤などの生活必需品はさておき、スプライト500mlを二本、カップ麺4個、チョコレート3つ、ポテチ4つ、マンゴー、マンギス4つ、通常週一で行う買い物ではありえない量です。同じもの買いすぎ。

昔、節約術の番組で、「空腹時に買い物に行ってはいけない」という情報を得たことがありますが、本当に「空腹時に買い物に行ってはいけない」と思います。

 

長くなってしまったので、ざっくりとまとめます。

断食の記録、まとめ

  • ラマダンはムスリムのクリスマス。(レバラン休暇中の雰囲気は「お盆」)
  • 水が飲めないってほんとつらい。
  • 作業に集中できないので、気を紛らわすための単純作業をするしかなくなる。
  • 「空腹時に買い物に行ってはいけない」
  • 断食明けに一番に口にしたものは水とタバコ。
  • 僕にとっては食べ物よりもタバコが重要であるという気付き。
  • 日没後、頭痛。(おそらく寝不足と熱中症が原因)

以上、プアサ初挑戦の記録でした。断食は、ぼっちでやるととてもさみしい!