犬が吠えども、キャラバンは進む。

Biar anjing menggonggong, kafilah tetap berlalu./インドネシアでひとを研究しているある院生の備忘録。

Kenapa susah berhenti menroko di indonesia?KARNA ROKO INDONESIA TURLALU ENAK!【インドネシアのタバコおいしすぎる問題】

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お久しぶりです。私事ですが、先日から禁煙失敗続きです。そこで、タバコがやめられない理由を個人的に考えてみました。しかし、医学的な見解は一切ございません。ご了承ください。タイトルにある通りで、インドネシアのタバコっておいしすぎるんだよ!という話です。インドネシアにおける煙草事情(種類、歴史、喫煙率(見た感じ)等を、禁煙したい喫煙者の視点からまとめてみたいと思います。

インドネシアの甘いタバコ Roko Kretek(概要と歴史)

インドネシアのタバコといえば、Roko Kretek(丁字タバコ)です。

一度でも東南アジア特にマレーシア・インドネシアに訪れたことがある方、空港に着いた途端あまったるーい匂いに包まれた経験ありませんか?実はあの香りこそ、丁字、つまりRoko Kretekの香りなんです。(なぜ空港の搭乗口にまであの匂いが充満してるかって?それは匂いが強いというのもありますが、まぁそういうことです)吸ってみると、あまったる香りの強さに加え、フィルターの部分が甘い味に加工されており、ブラックコーヒーと一緒に吸うと煙草の甘さとコーヒーの苦さが絶妙にマッチします。インドネシア人の多くは、ブラックコーヒーではなく、あまーいABCのインスタントコーヒーを飲むので、どんだけ甘いの好きなんだろうと驚きます。

 

この煙草に使われている丁字とはつまり、現在の日本ではクローブと呼ばれていることが多い香辛料の一種なのですが、インドネシアを中心とした地域の特産物なのです。

その昔、大航海時代、西洋の人びとが危険な海に出た理由は、東南アジアにおける特産物、香辛料を得ることが主な目的だったと言われています。現在もバニラの価格が高騰して銀よりも高いなんてことが起こっています*1が、当時も東南アジア諸国でとれる香辛料は命を懸けてでも手に入れたい貴重な代物だったと言われています。その用途は時代によって変遷していきますが、最終的には現代のような高価な趣向品となります。クローブの場合は、シナモンを求めてたどり着いた人々によって発見された「代替品」だったようです。

ヨーロッパの方ではこうしたクローブ・シナモンがクリスマスの時期の料理に使われてる*2こともあって、インドネシア初上陸した私は「なんかすごいむし暑いけどクリスマスの匂いがする・・・」と混乱したのを覚えています。

ヨーロッパでクローブが使用され始めた時期・理由などは歴史的背景からおおよそ検討がつくのですが、逆に東南アジア諸国におけるその使用の歴史は未だに不明瞭なことが多いとも言われています。インドネシアでは、丁字が主にタバコの材料として消費されていますが、喫煙の文化はインドからの流入という説が有効だと考えられており、それ以前のこの地域における「香辛料」の使用に関して明らかになっていないようです。丁字に関していえば、現在この地域における丁字の煙草以外での使用方法がないにも関わらず、自国生産のみならずヨーロッパ諸国から輸入するほどの消費量を誇っているというのも興味深いです*3

ちなみにこの丁字タバコ、ガラム*4という銘柄が日本でも買えます!丁字タバコを吸いながら、香辛料の歴史に想いを馳せてみるのも良いかもしれません。でもあまりもにおいがきついので、銘柄名指しで禁煙にされていることもあるようです(先輩談)。

この丁字タバコ、インドネシアでどれくらい人気化というと、売られているタバコの8割(田舎だと9割~10割)を丁字タバコ占めているくらいです。丁字タバコにも様々な銘柄があり、パッケージ、味、強さなどが異なります。丁字タバコでない「マルボロ」などを見つけるのは難しいです。「マルボロ」「キャメル」「ボヘム」等は、輸入銘柄なので、おそらくインドネシアで生産されているタバコはほとんど丁字タバコと言ってもいいくらいです。さらに言えば、マルボロ」銘柄から丁字タバコ新製品が登場しました。それくらいインドネシアでは、「タバコといえば、丁字タバコ!」という状況です。ちなみにこの記事のトップにのせたコンビニの陳列を丁字タバコとそうでないものをざっくり視覚的に分けてみると、こうなります。

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マルボロの赤黒パッケージは、一年前くらいに出た新製品の丁字タバコです。

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このパッケージ、ほんとかっこいいんですが、ちょっと強すぎて私は吸えません。(丁字タバコのタールニコチン量は10mを越えるものしかないような気がします。甘くておいしいので吸いやすいのですが、調子に乗るとすぐ頭が痛くなります)

インドネシアの喫煙率、見た感じですと男性は9割といったところでしょうか。女性はほとんど吸いません。というか、人が見ているところでタバコを吸う女性っていないです。まぁタバコを吸ってるに女性が嫌われるのは日本でも同じ(最近は男性でも喫煙者全般嫌われてますが)。しかし、こちらではタバコを吸う女性に「夜の女(売春婦等)」というイメージが強いようで、ことさらに外で吸うことが憚られるようです。田舎だと、私も煙草を買うときに驚かれます。

 

喫煙大国インドネシアの禁煙ブーム?

男性9割(見た感じ)の喫煙率、特産品である丁字を輸入してまで消費する喫煙大国インドネシア、数年前まで「喫煙所」という概念すらなかったのですが、最近特にジャカルタなどの都市部を中心に禁煙ブームが起きている模様・・。ジャカルタスカルノハッタ空港で、屋外に設置された「喫煙所」を目にしたときは天地がひっくり返ったかのような衝撃を受けました。そんな・・・喫煙者天国インドネシアに、「喫煙所」、つまり、「喫煙所以外禁煙」という状況に出くわすなんて・・・!

喫煙の害というものは、もちろん周知されていて、煙草広告の禁止はされていないものの、パッケージの健康被害警告は、日本のパッケージなんかの比にならないくらい恐ろしいものとなっています。日本製のタバコは今でも珍しい(ジャカルタは知らない)のですが、ちょうどメビウスインドネシアver.の写真が残っていたのでのっけます。

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こっわ・・・・・。

このほかにも、開胸された人間の肺とか、そんな写真が載っていたりします。

台湾人の友人は写真がグロすぎると言って、この警告の上に紙を張り付けていました。ちなみに、グロくない警告写真として子供を抱きかかえた男性がタバコを吸っているバージョンもあります。これは、「副流煙は子供を含めた周囲にとっても健康被害をもたらす」ということを表しているようです。その他の写真はそのまんまですね・・・・・。タバコやばいなー・・・・・。こわーい・・・・。

バリなどで、女性にタバコを売ることになれている(観光地なので外国人女性喫煙者になれている)コンビニの店員さんなどは、わざわざ怖くない写真を選んで売ってくれたりします。良いのか悪いのかよくわからない気づかい・・・。写真が怖くなくても煙草の害は変わりません・・・。

禁煙したいよ・・・

こうした禁煙ブームもあってか、最近はヴァイプがはやっていたりもします。

でもやっぱり、それはそれでちょっと健康被害が未知という感じもして、私はまだ手を出していないです・・・。水タバコの方が、実は身体に悪いなんて話もあるし、どうしましょう。また現在たばこ税は高くなく一箱(16本から20本)で大体Rp.20.000からRp.25.000/200円くらいなのですが、増税するという話も聞きます。(ちなみに数年前はRp.16.000くらいでしたが、物価が上昇しているので煙草の値段も上がっているようです)

また日本と違って(昔は日本でもあったのかもしれませんが)、箱ではなく3本、5本といった少数で買えたりします。銘柄にもよりますが、3本Rp.5000(40円くらい)なので、どう考えてもコスパは悪いのですが、経済格差の激しいインドネシア、煙草に200円出したくない、出せないひとも、手元にある50円でタバコを買えるのです。シャンプーや洗剤なんかも、日本だと『旅行用』に若干高めに価格設定されがちな小袋で、単価を落として販売されていることが多いです。そしてなぜか、小袋の方がコスパがよかったりすることもあるので不思議です。

禁煙したい私は、コスパが悪いのをわかりつつ、3本ずつ買って、手元になくなればできるだけ我慢する手段に出ていますが、さて、このやり方は正しいのかな・・。一日3本にまで減らせましたけど、禁煙できてるとは言い難いですね。

丁字タバコの甘さに負けて、自分にも甘くなってしまうんです。 なので、インドネシアの丁字タバコが純粋においしくて体への健康被害がないクローブ風味の吸うやつ、開発してほしいです。

まとめ

インドネシアのタバコといえば丁字タバコ

・丁字タバコから見る香辛料の歴史って面白い

インドネシアでも禁煙ブームが起きてる

・タバコは身体に悪い

・でも丁字タバコは甘くておいしい

・体への健康被害がないクローブ風味の吸うやつ、開発してほしい

 

帰国するまでに禁煙したい!以上です!

*1:バニラ価格高騰、銀より高く アイスクリーム業界に打撃 - BBCニュース 

*2:大航海時代にヨーロッパに多量に持ち込まれた香辛料は、主に餌が少なくなる冬季前に屠殺された家畜の肉を保存するために使用されていました。そのため、この時期のヨーロッパ料理に香辛料をふんだんに使用した食文化が根付いたのかもしれません。そう考えるとヨーロッパのクリスマス食文化も大航海時代の歴史の産物であり、歴史的な東南アジアとの繋がりを感じます。

*3:生産輸出入量に関しては、ちょろっとネットの統計サイトで調べた程度で、専門的な研究書あたってませんすいません

*4:ガラム - Wikipedia